VC-IP(脂溶性ビタミンC)とは?特徴と全成分表示での見分け方
この記事は、ドクターズコスメ『美肌道』を運営する株式会社美肌道が制作しています。
ビタミンC配合のコスメを選ぶとき、商品の説明と全成分表示で成分の名前が違っていて、迷ったことはありませんか?
「VC-IP」や「脂溶性ビタミンC」と呼ばれる成分も、全成分表示では「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」という名前で書かれています。この記事では、VC-IPがどんな成分か、ほかのビタミンCとの違い、全成分表示での見分け方、取り入れ方をまとめました。
この記事の答え
- VC-IPは、油に溶けるタイプのビタミンC誘導体です。全成分表示では「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」と書かれています。
- 変化しやすいビタミンC(アスコルビン酸)を安定させた形で、クレンジングやクリームなど油分の多いアイテムに配合しやすいのが特徴です。
- ビタミンC誘導体は、「〇%配合」の数字より、「どのタイプが、どのアイテムに入っているか」で選ぶのがポイントです。
VC-IP(脂溶性ビタミンC)とは?
VC-IP(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)は、ビタミンC(アスコルビン酸)に油に溶ける脂肪酸を結合させた、油溶性のビタミンC誘導体です。「脂溶性ビタミンC」とも呼ばれます。
| 一般名・通称 | 脂溶性ビタミンC誘導体、油溶性ビタミンC誘導体、VC-IP、VCIP |
| 化粧品の表示名称 | テトラヘキシルデカン酸アスコルビル |
| 医薬部外品の表示名称 | テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル【要確認1】 |
| INCI名 | Tetrahexyldecyl Ascorbate/Ascorbyl Tetraisopalmitate【要確認2】 |
| 原料の販売名 | 【要確認3】 |
| 配合目的の表示 | 整肌成分【要確認4】 |
| 性状 | 液状・油溶性 |
| 美肌道の配合アイテム | バランスクレンジング、リュクスクリーム・パーフェクト【要確認5】 |
ビタミンC(アスコルビン酸)は、水に溶けて油には溶けにくく、光や熱、空気にふれると変化しやすい成分です。そこで、成分の形を変えて安定させたものを「ビタミンC誘導体」と呼びます。VC-IPは、アスコルビン酸に「2-ヘキシルデカン酸」という脂肪酸を4つ結合させた形で、油に溶ける性質をもっています。
ビタミンCにはどんな種類がある?
化粧品に使われるビタミンCは、溶ける性質で分けると次のタイプがあり、VC-IPは油に溶けるタイプです。
| タイプ | 表示名称の例 | 溶けるもの | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ビタミンC | アスコルビン酸 | 水 | 成分そのもの。光・熱・空気で変化しやすい |
| 水溶性ビタミンC誘導体 | アスコルビルリン酸Na、アスコルビルグルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸 | 水 | 化粧水・美容液など、水分の多いアイテムに配合しやすい |
| 水と油の両方の性質をもつ誘導体 | パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na | 水(油とも合わせやすい) | 化粧水にもクリームにも配合できる |
| 油溶性ビタミンC誘導体 | テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP) | 油 | 安定性を高めた形。クレンジング・クリーム・オイルなど、油分の多いアイテムに配合しやすい |
どのタイプが優れているということではなく、溶ける性質が違うため、配合しやすいアイテムが変わります。
VC-IPの特徴は?
ズバリ、「油に溶けること」と「安定させた形であること」です。
- 油に溶ける:液状で油に溶けるため、クレンジングやクリーム、オイルのように油分の多い処方にも配合できます。
- 安定させた形:光や熱、空気で変化しやすいアスコルビン酸の形を変えて、成分としての安定性を高めた誘導体です。
- 肌へのはたらき:肌にハリ・ツヤを与え、キメを整えて、すこやかに保ちます。
全成分表示でVC-IPを見分けるには?
全成分表示では「VC-IP」ではなく、「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」という名前を探します。化粧品の成分は、日本化粧品工業連合会がまとめた「化粧品の成分表示名称リスト」などの名称で書かれるため、通称とは名前が違うことがあります。
医薬部外品(薬用化粧品)では、同じ成分が「テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル」と表示されます【要確認1】。海外のコスメなど、アルファベットの成分名(INCI名)で書かれている場合は「Tetrahexyldecyl Ascorbate」で、「Ascorbyl Tetraisopalmitate」という別名もあります【要確認2】。
化粧品の全成分表示は、原則として配合量の多い順に並んでいます。ただし、配合量1%以下の成分と着色剤は順不同で記載してよいことになっているため、並び順だけで配合量を判断することはできません。
「ビタミンCは濃度が高いほどいい」は本当?

実は、ビタミンC誘導体の「〇%配合」という数字は、種類が違うと単純には比べられません。
VC-IPは、ビタミンC1つに、大きな脂肪酸が4つ結合した構造です。そのため、分子全体に占めるビタミンCの部分の割合は小さくなります。同じ「〇%」でも、水溶性の誘導体とは数字の意味が違うのです。
濃度の数字だけで選ぶより、「どのタイプのビタミンCが、どんなアイテムに入っているか」で選びましょう。
VC-IPはどう取り入れる?
VC-IPは、配合されたアイテムを、そのアイテムの使い方どおりに使うことで取り入れられます。
- クレンジングのように洗い流すアイテムにも、クリームのように肌に残すアイテムにも配合されます。
- 油分を含むアイテムに配合されるため、スキンケアの最初(クレンジング)や仕上げ(クリーム)で取り入れやすい成分です。
- 使う時間帯や順番、量は、それぞれのアイテムの表示に従ってください。
- 肌に触れるときは「猫を撫でるように指を浮かせる」くらいのやさしさで。こすらないことは、どのアイテムにも共通するお手入れの基本です。
ここで注意!
- 使用中に肌に異常が出たときは、使用を中止して皮膚科医に相談してください。
- 保管は、直射日光の当たる場所や高温になる場所を避け、アイテムの表示に従ってください。
まとめ
- VC-IPは、油に溶けるビタミンC誘導体。全成分表示では「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」と書かれる
- ビタミンCは、濃度の数字より「種類」と「アイテム」で選ぶ
- VC-IPは、クレンジングやクリームなど油分を含むアイテムで、そのアイテムの使い方どおりに取り入れる
りつこ
ビタミンCコスメは、つい「〇%配合」の数字に目が行きますよね。でも、全成分表示の名前を見れば、水に溶けるタイプか、油に溶けるタイプかが分かります。謳い文句だけに惑わされず、手持ちのコスメの全成分表示を一度見てみてくださいね。【要確認6】
美肌道でVC-IPを配合しているアイテム
美肌道は、美容皮膚科医・朽木律子が成分の選定・処方設計を手がけるドクターズコスメです。VC-IPは、油に溶ける性質を生かして、油分を含む次のアイテムに配合しています。
よくある質問
VC-IPとビタミンC誘導体は別のもの?
別のものではありません。VC-IPはビタミンC誘導体の一種で、油に溶けるタイプです。
「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」と「VC-IP」は同じ成分?
同じ成分です。全成分表示での名前が「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」、通称が「VC-IP」です。
VC-IPはどんなアイテムに配合されている?
クレンジングやクリーム、オイルなど、油分を含むアイテムに配合されます。油に溶ける性質のため、水分の多い化粧水には配合しにくい成分です。
VC-IP配合のアイテムを初めて使うときに気をつけることは?
アイテムの表示に従って使い、使用中に肌に異常が出たときは使用を中止して皮膚科医に相談してください。初めてのアイテムは、腕の内側など目立たない部分で試してから使う方法もあります。


